ヴィンテージ環境

2018年5月23日
・ワークショップ
ヴィンテージといえばパワー9、次いで《Mishra’s Workshop》ということで、
やはりアーティファクト単デッキの印象が強いと思われます
少し前までの茶単デッキのイメージはワクショ!モックス!モックス!
《虚空の杯》やら《磁石のゴーレム》やら《アメジストのとげ》やら置いて勝ち!という感じでしたが、
これらの拘束カードは毎年の恒例行事のように次々と制限リストへ送られ、
もはや安定してマナ拘束を仕掛けることは困難になりました
そのため現在のワークショップ系はアグロに寄せて殴り倒すデッキと
ロックにこだわるデッキに大きく二分しています
アグロで主流なデッキは《電結の荒廃者》を軸としたラヴィジャーショップというタイプで、
《鋼の監視者》、《歩行バリスタ》との強固な三角シナジーにより高打 点をたたき出します
2マナクリーチャーを何体も並べるのは一見モタモタしているように見えますが、
《Mishra’s Workshop》に加え《古の墳墓》や《トレイリアのアカデミー》など
土地基盤がずば抜けたマナ生成スピードを持つことや、
《抵抗の宝球》などの妨害カードにより相対的に相手が減速することから
必要な打点をそろえることはそれほど困難ではありません
その他特徴的な採用として、カラデシュのニューフェイス《鋳造所の検査官》は
《抵抗の宝球》の影響を帳消しにしてくれます
《先駆のゴーレム》もこの環境ならではの採用ですね
単体除去に乏しいミラーマッチでは特に強く、デメリット能力も《電結の荒廃者》が軽減してくれます
前から使われてはいましたがデメリット能力が《磁石のゴーレム》も参照してしまうため、
《磁石のゴーレム》制限後に特によく見るようになりました
一方でロックに重点を置いたタイプはスタックスと呼ばれ《煙突》の採用が特徴的です
これは互いのパーマネントを削っていくため、
一度機能しだせば、《露天鉱床》《不毛の大地》と合わせて土地が伸びなくなり、
置物によるマナ拘束よりもより強固に相手をロックすることができます
デッキ構成も《世界のるつぼ》や《The Tabernacle at Pendrell Vale》など
《煙突》と相性の良いカードが選択されています
茶単系デッキ共通の欠点としてはドロー手段がないため初手依存度が高いこと、
また環境柄アーティファクトへのヘイトは尋常でないほどに高く、
最近加入した《力づく》を始め《静寂》《無のロッド》《魔力流出》など
容易に1体多数交換をとられてガス欠になる場面も少なくありません
とはいえ他のデッキが制限カードを砕いて3マナひねり出してる中、
アーティファクト制約だけで毎ターン3マナ供給してくれるワークショップは、
制限されない限りこれからも存在感を発揮し続けるでしょう

・オース
オースは《ドルイドの誓い》を用いて
ライブラリーのデカブツを直接呼び出してゲームエンドを狙うデ ッキです
生物踏み倒しという点で使用感はレガシーのショーテルに近く、
実際に手札に来た時のために《実物提示教育》を採用しているタイプや
加えて《全知》を採用しているタイプもあります(オムニオース)
相手がビートダウンであれば実質的に一枚コンボとして機能しますし、
相手がクリーチャーを出してこない場合も《禁忌の果樹園》によって
強引にトークンを押しつけることで条件達成を行ないます
踏み倒しといえばどうせ《引き裂かれし永劫、エムラクール》や《グリセルブランド》だろう
と思われる方も多いでしょうし、実際そうなんですが、
現在これらと並ぶ採用率を誇るクリーチャーがいます、それが《業火のタイタン》です
理由として非伝説であるため《カラカス 》が刺さらないこと、
《封じ込める僧侶》や《墓堀りの檻》環境下でもギリギリ素出しが現実的なマナコストであること
《変異エルドラージ》や《精神を刻む者、ジェイス》に妨害されず、逆に除去できることなどのメリットがあり
これを採用したオースはインフェルノオースと呼ばれています
特に《カラカス》《封じ込める僧侶》《変異エルドラージ》を
メインから持つ白単エルドラージは天敵なため、これらに耐性がつくことは重要です
《業火のタイタン》以外にも《オーリオックの廃品回収者》(《Black Lotus》との
無限マナコンボ→サルベイジャーオース)、サイドからは《龍王ドロモカ》、《嵐の息吹のドラゴン》など
呼び出すクリーチャーも使用者の好みが見られて面白いところとなっています
(個人的に出されて面白かったのは《終止符のスフィンクス》です)
また赤の採用と生物の強力化に伴い《罰する火》+《燃え柳の木立ち》の
罰火エンジンを採用したタイプも多くなっています
《罰する火》は《ダク・フェイデン》の+能力と相性が良いですね
もちろん全てのオースがティムールに魂を売ったというわけではなく
《Demonic Tutor》《吸血の教示者》《ヨーグモスの意思》が使える
スゥルタイも依然として存在していますし、
《グリセルブランド》からストームに繋げるストームオース、
よくばり4cなど、亜種の多さも魅力の一つとなっています

・デルバー
《秘密を掘り下げる者》はヴィンテージでもレガシーと同様に
最も手軽なクロックとして用いられています
レガシーと異なる点として、《思案》も《渦まく知識》も1枚制限で
トップ操作の多くが《定業》頼みとなること、
マナファクトをほとんど用いず土地の数が多めであることから、
レガシー程は気軽に変身できないことが挙げられます
また《精神的つまづき》の存在も本体、トップ操作のどちらにも刺さるため厄介です
そのためレガシー でよく見られる《僧院の速槍》で素早く削り切るというよりは
《若き紅蓮術師》とともに削っていく形が一般的です
また《ダク・フェイデン》が入っているリストも珍しくありません
上記に加え《ギタクシア派の調査》も制限なため、1マナドローの質は落ちるものの
《時を越えた探索》《宝船の巡航》《噴出》といった
強力なドローは1枚ながら使用することは可能です
加えてこちらも《精神的つまづき》を使えるため
トータルな強さとしてはレガシーのそれにヒケをとりません
また《若き紅蓮術師》の居場所はデルバーデッキのみならず、
単独でもグリクシスにて成立しています
モックスには反応しないため《僧院の導師》ほどではないものの
一度着地すれば除去もなかな か難しいためゲームの流れを大きく引き寄せてくれます
特徴的な採用カードとしてイクサランから《航路の作成》が加入しています
《悪意の大梟》も《未練ある魂》もいない環境では空はがら空きであり、
毎ターン確実に攻撃できるため2マナ2ドローとして機能します
ソーサリータイミングではありますがアドバンテージを
得る手段の限られるこのデッキでは息切れを防止する貴重なドローカードです

・墓荒らし
墓荒らしはいわゆるBUGカラーのグッドスタッフで
《死儀礼のシャーマン》、《闇の腹心》、《トレストの使者、レオヴォルド》といった
どこかホッとするクリーチャー群を《精神的つまづき》や
《Time Walk》などの強力な呪文でバックアップします
《タルモゴイフ》は採用されたりされなかったり、採用されてないほうが多いかな、というところですが、
アーティファクトが多いことから基本カウントを5/6として運用できるため強力ではあります
デッキ名の由来は《死儀礼のシャーマン》が墓地を好き勝手することからと
聞いたことがありますが本当かどうかはよくわかりません
最近は単にレオヴォルドという呼ばれ方も聞かれるようになってきました
《トレストの使者、レオヴォルド》や《突然の衰微》により
メインからコンボや置物にも強く出られるところはレガシーと変わりません
どころか《ダク・フェイデン》を加えた4cも登場しはじめ、レガシーに近い様相を呈しています
特徴的な採用として、破滅の刻からは《ラムナプの採掘者》がトレンドとなっています
生物除去の薄い環境ではパワー2の《世界のるつぼ》であり、
《露天鉱床》の存在から、より強力な土地ハメが可能です
どんな相手にも対応できる丸さは魅力ですが
一撃必殺や強力なロックを持たないため(上記の土地ハメは可能)、
イージーウィンがあまりありません
その代わり単体のカードパワーは高いため
いろんなデッキとがっぷり組んで戦いたい人向けです

・エルドラージ
もはやおなじみとなったエルドラージはヴィンテージでも暴れており、
特に白単エルドラージが主流となっています
白要素である《スレイベンの守護者、サリア》
《異端聖戦士、サリア》はコン トロールやストームを咎め
《封じ込める僧侶》はオースとドレッジを咎め、
さらに《封じ込める僧侶》+《変異エルドラージ》のコンボで
ビートダウンも咎めるという(理論上は)全方位隙がないデッキです
エルドラージももちろん強力であり、《スレイベンの守護者、サリア》で
出遅れた手札を《難題の予見者》で検閲された
後に出てくる《現実を砕くもの》はほとんど《大祖始》です
欠点としてはワークショップと同様ドロー操作を持たないため初手依存度が高いこと、
後手だと相手はマナファクトを展開し終わっており拘束が不十分になることが挙げられます
(もともとヴィンテージは先手後手格差が大きいですが・・・)
動きがあまり安定しないため、現在多数派のアーキタ イプというわけではないですが、
制限改定後ワークショップとメンターの弱体化によりオースの勢力が伸びてきており
そのオースに対して強いエルドラージは選択者が増えるかもしれません

・ジェイスコントロール
ジェイスコントロールは青系のコントロールデッキで、
特に《ダク・フェイデン》や《赤霊破》の存在から青赤+1色が基本であり
《剣を鋤に》《僧院の導師》のジェスカイカラーが多数派でしょうか
多数のドロー、カウンター、除去で構成されており、
生物は《瞬唱の魔導士》《ヴリンの神童、ジェイス》くらいで、
メインの勝ち筋として《精神を刻むもの、ジェイス》などのPWで勝つことを目的とします
とはいえそれだけで勝つというのは難しく
メンターや ヤンパイ戦略、《修繕》で《荒廃鋼の巨像》をサーチするティンカー戦略、
バルトキー(《Time Vault》+《通電式キー》)によるお手軽無限ターン、
《行き詰まり》で相手を止めて《ミシュラの工廠》で殴るランドスティルなど
1デッキに様々な勝ち筋を内蔵しているものが大多数です
墓荒らしとはまた違った意味での丸さがあり、
カウンターの量からコンボには強いので大会で必ず一人は当たるタイプのデッキです

・ストーム
ストームはそのターンに唱えられた呪文の数だけ威力を増す性質を持つ
ストーム呪文《苦悶の触手》をエンドカードに据えたデッキです
特に、強力なマナアーティファクト群がマナ加速のみならず
ストームカウントの役割も兼ねてくれる分
ヴィンテージの恩恵を十二分に受けているといえます
ヴィンテージは1ターンキルが跋扈する環境の ようなイメージもありますが、
前述したようなアグロデッキにおいて構造上1ターンキルを行うことは
ほぼ不可能です(詰みに近い状態まで持っていくことは可能ですが)
しかしストームデッキは初手如何によっては1ターン目から仕掛けることが可能であり
1ターンにとれるアクションが多いヴィンテージでは、
相手にターンを渡さずに勝つことができるということは大きなメリットとなっています
今現在見られるストームデッキはいくつかの亜種がありますが、
カラデシュで加入した《逆説的な結果》により0~1マナファクトを戻すことで
大量ドロー、マナ加速、ストームカウントを一手で行う
逆説ストームはよく見かけるタイプとなっています
他には霊気紛争で加入した《遵法長 、バラル》を採用したタイプで
マナコストを軽減し《けちな贈り物》から《Demonic Tutor》《燃え立つ願い》など
何を持ってきても大体勝ちとなります
このようにカラデシュブロックはスタンダードのみならず
ストームデッキにも大きな影響を与えました(カラデシュ!すごい!本当にすごいんだ!)
しかしストーム殺しである《狼狽の嵐》はヴィンテージでも変わらず有効であり
青系のデッキのほとんどは1~2枚搭載しているため、悠々とコンボスタートとはいきません
またサイド後はアーティファクト対策やカウンターに加え、
ワークショップなどは《魔女封じの宝珠》を貼ってきたりとさらにマークがきつくなります
そのためストームのみで勝つのではなく、
《求道者テゼレット》を採用してバルトキールートをとったり
ティンカーコロサッスをとった り、サイドからオースになったりと
様々な努力が行われています

・ドレッジ
ドレッジは、発掘というキーワード能力を
タップするだけで2枚引いて3枚捨てる土地《Bazaar of Baghdad》で使いまくるデッキです
レガシーにも同名デッキがありますが、レガシーはドロー&ディスカードを
(《セファリッドの競技場》を除けば)《信仰なき物あさり》《打開》などの呪文に頼るのに対し、
ヴィンテ―ジでは《Bazaar of Baghdad》のみで行います
そのためそういった呪文がデッキスロットを圧迫することがなく、
《意志の力》を採用したり、《恐血鬼》+《知られざる楽園》or
《ダクムーアの回収場》といったシナジーを組み込むことも可能になっています
また《血清の粉末》の採用は大きな特徴であり
《Bazaar of Baghdad》を確実に引き当てられるようにしてあります
実質的に土地の一枚コンボのようなものであり、速度が速く
また大半が能力によって動くことからカウンターによる妨害も
非常に難しいため、「メイン最強」と言われます
問題はサイド後です
たいていはどのデッキでも4~6枚の墓地対策を入れており、
またヴィンテ―ジの墓地対策の特徴として《外科的摘出》のような
一種類引っこ抜きよりも《貪欲な罠》《トーモッドの墓所》《虚空の力戦》といった
広範囲な墓地対策が好まれるため
稼いだ墓地リソースが即消し飛ばされるようなことは少なくありません
ドレッジ側も置物対策は万全であり《自然の要求》や
《精神的つまづき》ケアで《鋳塊かじり》《薄れ馬》を入れ ているタイプもあります
また、最近のドレッジのサイドボードには
破滅の刻から期待の新人、《虚ろな者》が4積みされており
これら墓地対策にサイドチェンジしたことで
デッキが弱くなった相手を蹂躙するという仕掛けになっています
余談ですがバザールはフランス語読みでバザーは英語読みだそうです
《バザールの大魔術師》ではバザールと訳されてますので、日訳的にはバザールでしょうか
エネルギー(ドイツ語)とエナジー(英語)でも前者が採用されてますね

・メンター
《ギタクシア派の調査》《噴出》を制限送りされてなお猛威を振るった
《僧院の導師》もついに制限指定を食らってしまいました
彼が存命だった時期は《突然のショック》のみならず
集団疾 病(全トークン-1/-1)というサイドまでとっているものも見られましたが
さすがに現在でそこまで過剰なサイドを見かけることはありません
今はストームやヤンパイ、ジェイスコントロールなどに一枚放り込まれてるのを見かけます

・マーフォーク
部族であるマーフォークをフィーチャーしたデッキです
レガシーと構成が似ていますが、異なる点として《無のロッド》を採用しているため
《霊気の薬瓶》がとられていません
このことより制限マナファクトの採用も控えめであり、青単でありながら
アンチアーティファクトデッキとして動くことが可能です
また環境に天敵である全体除去がほとんどなく、
《真の名の宿敵》が死ぬことはほとんどありません(《毒の濁流》くらい)
2マナランドを使えず、《霊気の薬瓶》もないため
どうしても展開がもっさりしてしまい、押し合いでもサイズでエルドラージに
負けてしまうのがなやみどころでしょうか
ちなみにいわゆるフィッシュとはクロックパーミッションのことを指していたため
晴れる屋でフィッシュをデッキ検索するとマーフォークと墓荒らしが混在して出てきます

・5色人間
5色人間は《魂の洞窟》《マナの合流点》などから《過酷な指導者》
《スレイベンの守護者、サリア》《配分の領事、カンバール》
《瘡蓋族の狂戦士》といった妨害生物や《カマキリの乗り手》《アヴァブルックの町長》などの
高打点生物を展開してビートダウンすることを勝ち手段としています
除去や妨害をたくさん つっこみすぎて
勝ち手段が引けないということは往々にしてありますが
このデッキの妨害はほとんどがクロックも兼ねているため
そのまま殴り勝つことが可能です
欠点としてマーフォークと同様ワークショップや2マナランドを使えないため展開が遅いこと、
カウンターがないこと、全体的に小粒なためエルドラージや
《ワームとぐろエンジン》が辛いことが挙げられます
ただ、いわゆるヘイトベアー戦略はハマれば強力なため、
中規模の大会でも一定数の使用者はおり、当たる機会は少なくないでしょう

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